パワープレイ 気づかれずに相手を操る悪魔の心理術


パワープレイ―気づかれずに相手を操る悪魔の心理術

著者/訳者: 内藤 誼人/
出版日  : 2002/12

密教の呪いのようなおどろおどろしいタイトルの割には、内容は
単なるビジネスマナー本と言っている事が変わらない。
 とはいえ、ビジネスマナーというのは相手のためにやるというよりも、自分が有利になるものであるということがはっきりとわかる。
 一部には心理学実験の結果が反映されているが、思い込みによる部分も多くだまされないように。
 漫画家や映画監督志望の人にはぜひ読んでほしい、人間の性格と行動の関係もわかっていない人が作るから、キャラクターと絵がちぐはぐなのだ。


会った瞬間に優位に立つ
4分以内に自己アピールしろ
病気の話で親密に
半そでシャツを着ると弱々しく見える
挨拶では相手に先手を取られるな
握手を差し出す角度を使いこなせ

  • 上から手のひらを下に向けて 相手を従わせたい
  • 横から相手と同じ力で 対等な関係
  • 下から手のひらを上に向けて 服従を示す

相手の空間をマーキングで支配しろ
立ち話は相手の左側に一歩近づけ
相手の時間を奪え、待たせろ
時間を奪われたら同じだけ相手の時間を奪え
ふかふかで不安定な椅子
ホームグラウンドに相手を呼べ

会話の主導権を握れ
質問攻めーバズ・テクニック
質問攻めにされたら論点をずらせ
「されます」なんていう受身表現を使うな
おしゃべりな相手から発言権を取り返すにはコインを落とすかトイレに立て
コントラスト効果、逆方向に話を振ってから。
「・・・的」とか「・・・性」と言うな耳障りだ
相手が黙り込んでしまったら、「すいません」だ。怒ったら連呼しろ、言い訳や説明をするな
しぐさを使って会話をコントロールしろ

  • うなずきの速さで会話の速度を調整しろ
  • 発言権を渡すには、声を小さく、ゆっくりと、最後を伸ばして、視線を落とせ
  • しゃべりすぎの相手には人差し指を立てろ
  • 聞きたくなければ腕組みだ。
  • しゃべり続けたいときは、相手の腕を軽く押さえる

相手に信用してもらえない弱々しいイメージを与える表現

  • 強調表現ー「とても」「すごく」「たくさん」
  • 垣根表現ー「思うに」「・・・と考えられます」
  • ためらい表現ー「ええと」「あの」
  • 質問表現ー「・・だったかなぁ?」(尻上がり)

力いっぱい否定するとかえって怪しまれる。ジョークにしてしまえ。

意のままに相手をあやつる
交渉前には「ちょっといい話」をしておく
動作訴求法(相手に何かの行動を取らせる)コミットメントの原理で相手を追い込め
大雑把な数字ではなく具体的な数字を言え(98.2パーセント)
よい香りを漂わせると、知らぬ間にYESと言ってしまう
相手を近寄らせないことが支配の象徴になる
相手の真似や鏡像をすると、共感や信頼感を得られる。
別れ際はすばやさとスムーズさ。別れ際に相手の名前を言って、見えなくなるまで見送れ
将を射んとすれば、まず馬を射よ。
上司への取り入り

  1. 上司が笑えないジョークを言ったときでも、心から笑ってあげる
  2. 上司が自分で自慢に思っている性格や所有物を、誇張してほめる
  3. 上司がいかに他人に好かれているかの評判を教えてあげる
  4. 上司がよいマンションを探したり、よい保健を探すのを手伝ってあげる
  5. 上司をほめるべき機会をつとめて探す。

部下にネガティブ上司にポジティブは全てがネガティブより悪い。最悪だ
小さな失敗は笑ってごまかせ
何かをする前に「先に謝っておきます。」
広告の誘導表現

  • 垣根表現 「・・・かもしれません」
  • 不完全比較 比較対照をあえて明確にしない
  • 命令文並置 「風邪をひくな。・・を飲め」
  • 否定疑問文 「質が最も重要じゃないですか」 長所に集中させて価格の弱点を隠す
  • テスト報告 「・・の結果、・・・」

食事に誘え、パワーランチだ

説得できるプレゼン
白い紙をたくさん持っていって、適当な図をかけ
予告話法であらかじめプレゼンのスケジュールを説明しろ
目線はZ状に動かせ
情報制限法ー「1度しか言わないから」「ここだけの話」
動かしにくい相手を動かす

  • 相手に時間的圧力をかける。「来月までに結論を出したいと思います。」
  • 冷却期間をつかう。「一度持ち帰って検討」
  • 第3者に調停役を依頼すると面子をつぶさない。
  • 決まったところまでを要約確認してお互いの利害を確認する。

大きな動きを使う

  • 手を上から下へ動かすのは「力強さ」や「権威性」
  • 手を下から上は「やさしさ」「温かさ」
  • 手を外に広げるのは「受容性」「共感性」

シンメトリーは美しい。片足に体重をかけた姿勢を持続するな。
資料実物模型は「大きく」つくれ
資料を見ながら説明するときは、ペンをうまく使って視線を自分に誘導しろ
プレゼン終了を宣言する前に部屋を明るくしろ
原稿の丸読みはするな

自己鍛錬
背の高い人は有利だが、そうでなければせめて背筋は伸ばせ。前をみろ。
バーベル上げ運動はストレス解消以上に自信回復効果もある。
ボールペンを30秒噛んで笑顔を作れ
顔の左側を相手に多く見せろ
早歩きをすると頭の回転も速くなる。トボトボ歩くな。
服装

  • スーツはダークブルー等、着こなしは大統領を参考にしよう
  • ネクタイは赤が使われているもの
  • ソックスは長くて地味なもの。すね毛をだすな。
  • シャツは白かブルー
  • ネックレス、ピアスは外せ。

めがねは知性を演出する道具。顔に合わせて選べ
汚い部屋で仕事をすると疲れるしイライラする。オフィスはきれいに
サインの大きさはその人の強さ。大きく書け。
タイムマネジメントで時間を作れ
共通点が多い人ほど好きになる。そのためには些細なことでも相手に興味を持て

相手の考えていることを読め
講演の位置関係

  • 演者からみて左に座る人たちは好意的
  • 演者からみて右に座る人たちは否定的
  • 反対派の中心人物は右の真ん中に座る
  • 真正面の人たちは理性的な態度を取る
  • 右後方の人たちはオブザーバー的なので、彼らを無視すると反対派にまわる

ケンデルマーのハンドランゲージ

  • yes
    • 手はリラックス、強く握り締めてない
    • 手を机の上などに広げている
    • デスクの障害物を片付けている
    • あごをこすっている
  • no
    • 手が握りこぶしを作っている
    • 両手をももの上に置きひじを張り親指を握る
    • 両手を頭の後ろに組む
    • こちらが話しているときにボールペンなどを盛んにいじる
    • 指で額の真ん中を押している
    • 両手で顎でささえている
    • 指で机をコンコンたたく

手の組み方で作戦を変えろ

  • 右が上に来る人は「理性的」「現実的」「積極的」「支配的」
  • 左が上に来る人は「直感的」「空想的」「強調的」「従属的」

午前と午後を使い分けろ

  • 午前は理性の時間、計算や暗記に向いている
  • 午後は完成の時間、運動やプレゼンに向いている

歩き方で性格がわかる

  • 早足で腕を大きく振って歩く 目標志向型、努力家、勤勉
  • いつでもポケットに手を入れて歩く 批判的なひねくれもの、現実主義、旧態依然
  • 腰に手を当てて歩く 打算的、損をすることが嫌い
  • うつむきながら後ろで手を組む 常に問題を考えている、学者芸術家タイプ
  • 胸を張って堂々と歩く 自己満足、尊大、頑固、泣き落としに弱い

うそを見抜け

  • 早口で流暢
  • 手を動かさない
  • しゃべり間違い
  • 内気な人はいいよどむ
  • 会話の休止が長くなる
  • 口ごもりやすくなる
  • 相手の目が見られない
  • うなずきが少なくなる
  • 瞳孔が大きく開く
  • 姿勢の変化がなくなり体を動かさない-