トンデモ本の世界R
著者/訳者: と学会/ 出版社 : 太田出版 出版日 : 2001/09 |
トンデモ本の世界R
最初に「ガツーン」と一発。「戦争論」小林よしのりの間違いの多さである。時代が前後したり、数がいい加減だったり。
物語として構成する上では、細かい検証を抜きにして一気に書き進めたい気持ちはわからなくもないが、そういう面倒なことを一つ一つやっていかないと歴史というものは語れないものだなと思う。
今までの昭和史ではそういう間違いが多かったことを指摘して読者を確保してきた小林氏だからこそ、自分自身もまたそういった甘い誘惑にはまらないように努力すべきではないかと思う。
とはいえ、イデオロギーを抜きにして戦争論を批判したのを見たのはこの本がはじめてであった。
大槻教授が「神々のトリック」というトンデモ本を出版していたのは知らなかった。怪しい先生だとは思っていたが、ここまでひどいとは思いもよらなかった。
ちなみに検索してみると詳しいサイト発見
http://bosei.cc.u-tokai.ac.jp/~haruta/ootuki.html
というかこの本で批判されているほとんどの本が、SF大会で話題になった本か、批判サイトが存在している本なのである。
検索もしないで本を書くということは考えにくいので、元になったのであればちゃんと参考のリンクを書いておくべきだと思うのだが。
トンデモ本を最高の天然ボケというとらえ方をすれば、ツッコミが生きてくると言うもの。何冊かは読んでいて笑いが止まらないものもあった。ボケを生かすも殺すも突っ込み次第。
でも、笑ってばかりもいられない。オウム真理教に入信した信者の多くが麻原のトンデモ本から入ってきているのである。面白がってばかりもいられない。