おまけより割引してほしい―値ごろ感の経済心理学 (ちくま新書)

値ごろ感=価値÷費用 と定義し、値ごろ感=1の商品があった場合

おまけつ付き値ごろ感=(価値+おまけ)÷費用
割引きの値ごろ感=価値÷(費用−割引)

たとえば 500円の品物に100円のおまけと、100円の割り引きがあった場合。

おまけつ付き値ごろ感=(500+100)÷500=1.2
割引きの値ごろ感=500÷(500-100)=1.25

ということで、割引のほうが値ごろ感がある。

損失回避とは分母となる費用を最小にしようとする行為。時間や交通費等も費用に含まれる。しかしながら、コンビニでは高価な買い物をせず、わざわざ時間と交通費をかけて御殿場アウトレットモールまで買い物に行くのはなぜか。

  • 分子となる価値はほうっておくと下がる。
  • 分母と分子は互いに影響する。
  • 値ごろ感は比較によって動きやすい。
  • クチコミ情報は費用のリスク部分の低減に役立つ

ベストセラーは複合的価値により分子の部分を大きくする。

理不尽な衝動買いを誘う仕掛け

  1. 割引 通常の販売価格との落差
  2. 目玉商品 目玉商品を手に入れたことで費用が浮いたという安心感から、余計なものを買う
  3. 比較 2本100円のきゅうりを売るために、4本100円のきゅうりを隣に置く
  4. 表示 「クレジットも現金価格」と「現金でもクレジット価格」
  5. 相手 思いがけないところに、ターゲット客の知らないものがある
  6. 簡単
  7. レジ の脇
  8. 連れ 直接費用負担しない人
  9. 食べ放題
  10. お試し

ついで買いは、商品価格以外の費用負担、(時間、手間)が0である。