テレビの教科書―ビジネス構造から制作現場まで (PHP新書)

第1部 基礎編―テレビ・メディアを知る(「テレビ・リテラシー」とは?;テレビは何を映してきたか;テレビのビジネス構造;視聴率は魔物か)

 866件の受信契約からスタート、正力松太郎が該当テレビ。衛星中継、ワイドショー
事件簿

  1. 政治的圧力で「南ベトナム海兵大隊戦記」は放送中止
  2. TBSの「ハノイ田英夫の証言」でアメリカを非難したため、TBSは報道部を解体することになる。
  3. 成田反対運動取材のTBSロケバスに反対同盟の依頼で7人を乗せプラカードを持参していたのが検問で引っかかる。
  4. 現在のテレビ朝日三井物産の圧力により「東京大空襲」の放送は中止になった。
  5. NHKで矢沢栄吉率いるキャロルのドキュメンタリーをNHKらしくないという理由で手直しさせた
  6. テレビ西日本の公害摘発のニュースがスポンサーの圧力で放送中止になった。
  7. 日本テレビの「木曜スペシャル元寇700年」のスタッフが蒙古船の碇石に似せた石柱を海に沈めていたことが発覚した
  8. テレビ朝日「激写!中学女番長!!セックスリンチ全告白」は番組スタッフから依頼されて実行されたものであった。
  9. 朝日放送「素敵にドキュメント」で「追跡!OL・女子大生の性24時」は、スタッフ女性とアルバイト男性によるやらせであった。
  10. 読売テレビの[どーなるスコープ」で「出張アンケート・看護婦さん大会」に看護婦ではない人がいた。
  11. NHKスペシャル「奥ヒマラヤ・禁断の王国ムスタン」は演出であった。
  12. テレビ朝日「椿発言問題」は放送番組調査会の席上で「非自民政権が生まれるように報道することを指示した」と発言
  13. TBS坂本弁護士ビデオ問題
  14. ペルー日本大使公邸人質事件で広島ホームテレビの記者が独断で公邸内に入り犯人から取材
  15. テレビ朝日、所沢ダイオキシン騒動
番組制作費の流れ

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広告会社が営業費20%を取って残り80
放送局が営業費20%を取って残り64
制作会社が営業費20%を取って残り51.2 
これを出演料、スタッフ、技術費、美術費、ポストプロ費にわける。
放送を全国に流すためには制作費と同額の電波料が必要
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広告会社が営業費20%を取って残り80
これをキー局をはじめとする全国の系列局に分配
結局200の予算のうち番組作りに使われるのは4分の1の50
視聴率はビデオリサーチ1社のみ。全国27地区6250世帯。統計上の誤差は視聴率10%で±2.4%、20%で±3.3%
GRP至上主義、97年に福岡放送、99年に静岡第一テレビで発覚した「スポットCM間引き事件」

第2部 実践編―テレビ番組を作る(「ドキュメンタリー」を制作する

企画・構成

テーマ、視点、手法の3大要素のうち一つでも新しいこと。
テーマ決め、素材探し、ロケハン構成、取材

取材・撮影

画面サイズ、カメラポジション、イマジナリーライン
カメラワーク
フィックス、パン、ドリー、クレーン、ズームイン、ズームアウト
カメラワーク、レイアウト、構図

演出

再現という手法
反社会的なことはやってはならない
当事者が不利益をこうむらない
プロフェッショナルの厳しさ

編集・仕上げ

ねらい

  1. 余分なカットを切り捨てる
  2. イメージを強調する
  3. テンポとリズムを生み出す
  4. ストーリーを作る

音声編集では、映像よりはなしの中身を優先させる。ある質問の答えを別の質問の答えにしてはならない。
効果音とSEは印象を作ってしまう
ナレーション原稿
映像と音声でわかっている事は言葉にする必要はない
良くわからないことはきちんと調べる。想像や事実と異なる内容は書かない
表現のポイント
言葉を選ぶ、自分の実感に一番近い言葉を捜す
印象的なラストコメント。これで番組全体の印象が決まってしまうことがある。
わかりやすい表現と言葉で短い文章に