クルーグマン教授の経済入門

第1部 経済のよしあしの根っこんとこ
1 生産性成長 70年代以降の生産性の停滞についてのせつめい。「わかりませーん」
  補足 生産性と競争力 「アメリカの競争力」とか言っているやつらは、自分が何を言っているかわかっちゃいない。
2 所得配分 搾取じゃなくて、そもそもアメリカの最貧困層って働かないのよ。
3 雇用と失業 失業率を下げるとインフレ圧力になる。インフレにならない最低の失業率がNAIRUなわけ。


第2部 相もかわらぬ頭通のタネ
4 貿易赤字 アメリカはでかい負債を抱えることができる。純債務国になったら、外国人投資家が不安になるたび金融危機、フェルドスタインが広めた「財政赤字貿易赤字」は信じない。
  補足 通過の切り下げは、いいこともあるんだよ、というお話 ドルの切り下げだけじゃ貿易赤字は解決できないけど、削減戦略には重要
5 インフレ インフレのコストとインフレ退治のコスト

第3部 政策問題
6 ヘルスケア(医療) 健康保険の掛け金高騰で保険に入れない人たち。
  悪者探し、中央集権システム、管理競争
  おまけの解説 日本の医療問題 民間に任せているようで政府がコントロールしている
7 財政赤字 財政赤字は無害?財政について正直に言った政治家は例外なく落選する
8 激闘! 連邦準備銀行 アメリカのどの政治組織より舵取りをうまくこなしてきた
9 ドル ドルの引き下げを急がないわけ
10 自由貿易保護貿易 保護貿易のたいしたことない害、
  補足 貿易紛争のコス
11 日本 日本は自前で作れるものは何一つ輸入しない。90年代に入って日本は自爆していく

第4部 砂上の楼閣ファイナンス
12 セービングス&ローン アメリカ版住専の危機、高い金利は借りかえられてしまった。
13 まるはだか ロイズの「顔」はグローバリズムで価値を失った。市場の「コーナリング」が最初にうまくいったのはなぜだ。
  おまけ 企業ファイナンス お金はどこから沸いてくるのか、効率の向上、契約の不履行
  訳者のおまけのおまけ解説 企業の財務構造のかんたんなお話 A=D+E
14 グローバルファイナンス 想像するほどグローバルじゃない。G7会議はたいした成果を生まない。

第5部 アメリカの未来
15 ハッピーエンド 可能性は20%ぐらい
16 急降下不時着 危機シナリオ、債務危機
17 ただよう 一番ありえる。たいした成長もなく危機もない

番外編 日本がはまった罠 流動性トラップ、金利0でも借りない。

あとがきと解説とか、そんなもの――山形浩生
 蛇足かも