「次」はこうなる


「次」はこうなる

著者/訳者: 堺屋 太一/
出版社  : 講談社
出版日  : 1997/08

6年前に「次はこうなる」ということで出した本。普通の人はタイトルを見ただけで古本ではこの本は買わないと思うが、おいらは
ブックオフで100円だったので買った。
 意外にも、内容は安易な将来予測ではなく未来に向けてのアドバイスで構成されている。タイトルで損をしている。

独創的だなあと思ったのは以下のような点である。

  • 少子化を防ぐには「子供は簡単には死なない」とアナウンスすることだ。
  • 日本は今やさまざまな面で魅力に欠ける。
  • 住居、教育、医療、消費、職業は選べない。
  • 小手先の改革が成功した歴史はない
  • 首都を移転しろ
  • 官は主役を民間にゆずれ

しかしながら今現在、少子化は相変わらずとまらない。住宅金融公庫はなくすということになった。大学は民営化の方向になった。医療費は上がった。職業はなくなったので若者はフリーターだ。首都移転は事実上の白紙状態。
 予測本なら、おおハズレだが、本の内容に納得がいくので許す。

「官は正義、民間は悪」という刷り込みが日本人には行われている。
たとえば民の代表である政治家を検察局が摘発すると拍手する。
刑事ドラマも時代劇も正しいのは官僚だ。
 また、民営化するという議論になると必ず「民間には人材もノウハウもない」
という話になる。それは官僚の思い上がりというものだ。

このあたりは読んでいてそういう考え方もあるのかと目からうろこであった、

しかしながら「超円安、インフレ」というのは今のところ中国の影響で逆に
なっている。
2010年ごろから日本の国際収支は大幅な赤字になり、2020年には
1ドル360円という予測だ。
 2010年まであと少し。外貨預金にしておこうかな。