私がマイクロソフトで学んだこと
出版社 : アスキー 出版日 : 1997/09 |
手っ取り早く言うと、マイクロソフトがすごいわけでもなければ、ゲイツがすばらしいわけでもない。著者である彼女、ジュリー・ビックがすごいのだ。
優れた上司を引き寄せ、回り道をせず、自らのキャリアを着実に積み上げていく。しかも美人。学生時代には同性の女の子からは嫌われるタイプだろうし、この本にも女子社員はほとんど登場しない。
エクゼクティブからは人気だろうけど、おいらはこのタイプがすきになれない。何も考えていないような演技の裏で、何事も計算づくでずるいのだ。そもそもタイトルにマイクロソフトを入れて注目を引くあたりに狡猾さがみてとれる。それだけで本は売れる。マイクロソフトの公式見解でもなんでもないのに。
でも、処世術としては見事としか言いようがない。誰かに仕えて一生を送りたいのであれば最高のマニュアルだ。くやしいが、それは認めざるを得ない。
蛇足だが、各所にダイアログで囲んであるジョークは、翻訳のせいもあるが、最悪だ。あまりにもつまらないので、何度かそこで読むのをやめようかと思ったぐらいだ。
1.マイクロソフト流 ビジネス必勝術
- 基本姿勢
- ソフトは発売前に自分たちで試用しろ。たとえ基幹システムに障害が発生しても。
- ゲームに勝つには
- 勝てなかったらルールを変えよう。:ストックオプションの甘い汁でマイクソフティは奴隷のように働く。
2.マイクロソフト流 しっかり仕事術
- エキスパートになるには
- エレベーターテスト。エレベーターにたまたま乗り合わせた特別な人たちに、降りる前に自社製品を売り込めるか。:SWOT分析で他社製品の分析
Strength(長所),Weakness(短所),Oppottunities(機会),Threats(脅威)
- 仕事をやりぬくには
- 賢く働け、リフレッシュしろ。完了できそうにない仕事は、上司に優先順位を決めさせろ。
- 上司とのつきあい方
- 上司を育てろ、輝かせろ、上司の欠点は本人に告げて、2回までは我慢しろ、
3.マイクロソフト流 リーダーの条件
- チームを導くには
- 目標を持たせて週1回のミーティング。がんばった人は表彰して、たまにはメンバーに大役も任せる。
- 難局を乗りきるには
- 冷静に、急な方向転換も面倒くさがらず、時には悪役を買ってでろ。
- 優秀なチームは優秀なリーダーの証
- 評価は事前に本人に知らせる。:新人は迷ったら採るな。:タイプ別チーム運営
新人君 トレーナを非公式につける
困ったちゃん 仕事にムラがある
スター 安心して放置すると放浪をはじめる
カンテツくん 納期直前になって徹夜が連続する。
4.マイクロソフト流 コミュニケーション術
- 言葉
- 「確認が必要な人は、かならずあと1人いる:自分の今の仕事を公表しろ
- 会議
- 準備周到、根回しは重要、運営は効率的に、出席者は餌で集める。
- 電子メール
- 使い方を間違えると大変なことになってしまう。
5.マイクロソフト流 キャリア達成術
- 望みの仕事を得るには
- 自分自身を知り、やりたいことを口に出し、履歴書は常に更新しておけ。:面接にはコツがある。
- キャリアをきわめるには
- 多少思いどおりでなくても我慢して、上司にコネをもち、周囲の評価を甘んじて受け2つ先の仕事を考えろ。