亡国の徒に問う
著者/訳者: 石原 慎太郎/ 出版社 : 文芸春秋 出版日 : 1996/12 |
いくつかの月刊誌に掲載されたものを集めたもので、各章の相関はなく重複が多い。
平成9年の政治情勢に対して、2003年の総選挙を目前にした今、著者以外は
当時と全く変わらない状況にあきれてしまう。
特にマスコミがひどい。人の発言をさも自分が思いついたかのように言う。
間抜けな質問、意図的な編集、コマーシャル明けに意見をかぶせる、
「エニワンバットジミン」とか「守旧派」とか勝手な造語を作って世論をあやつる。
彼がマスコミともめるのは今に始まったことではなかった。
勝手な造語で物事をごまかしてしまうのは、特に嫌いなようだ。
外務省も去年は対応が悪いとか嘘をつくとかでさんざん叩かれたが、悪事は
今に始まったことではないらしい。
アメリカに対してNOと言ったので、アメリカ人から嫌われたのかと思っていたら
逆に尊敬されているらしい。はっきりものを言わないとダメだ。
細川殿様総理が、欧米に言ったときに先の戦争で迷惑をかけたとあやまったらしい。
それが今でも元捕虜たちの訴訟につながっている。最低だ。
日本で一番不平等な立場にいるのは都市生活者らしい。かれはその信念のために
都知事になったのだろう。
尖閣諸島の問題は、なによりも憂慮すべき問題であるというのに、
誰も取り上げない。昭和天皇のお言葉「尖閣諸島には、ソテツは生えているか」。「ソテツは沖縄にはあるが台湾にはない」には、感心してしまった。
台湾大地震のあと、この問題は収束したかに見える。そもそも、
海底油田といっても、掘削費用は半端なものではない。
彼は公明党が嫌いである。池田大作氏のスピーチで
「皆さん、いよいよこの国は私たちの手の内に入っていたね」
というのは、石原氏同様に鳥肌が立って寒くなった。