脳と心の量子論


脳と心の量子論―場の量子論が解きあかす心の姿

著者/訳者: 治部 眞里/保江 邦夫/
出版社  : 講談社
出版日  : 1998/05

 一見して、トンデモ本を期待したのだが実は大真面目な量子力学
解説であった。数式を全く使わない解説は飲み込みやすいが覚えにくい。
 水の分子は酸素原子に107度開いて水素原子がくっついているが、
それをミッキーマウスに見立てるあたり、苦労しているなと思う。
 細胞膜周辺やマイクロチューブルやマイクロフィラメントの水分子
の動きを見てみたい。ソフト書けばいいんだけどね。もう、
だれか書いているかも。
 記憶の特質とは

  • 記憶の安定性
  • 記憶の大容量性
  • 記憶想起の容易性
  • 記憶の連想性

シナプス接続の可塑性では、記憶容量はぜんぜん足りないし、新しい
記憶とともに古い記憶は消えてしまうので説明がつかない。
 「脳細胞のミクロの場に存在するコーティコン場とスチュアートン
という量子場があり、コーティコン場の量子であるコーティコンの
凝集体が記憶を形作る。」
 この部分だけを取り出すと、いかにもトンデモ博士の学説に聞こえるが
そうならないように200ページを超え量子力学と場の量子論の説明がある。
 でも、途中で脳がギブアップしたらしくあるところから流し
読みしてしまった。