ホントの話 誰も語らなかった現代社会学〈全十八講〉


ホントの話―誰も語らなかった現代社会学 全十八講

著者/訳者: 呉 智英/
出版社  : 小学館
出版日  : 2001/11

自分の考えていることを代弁してくれる知識人とか文化人は実に気分がいい。
そういう意味では、呉智英という人は最低だ。誰も気がつかなかったこと、いや、気がついてはいたが気めをつぶっていたことをズバズバ言う。
「王様は裸じゃないか」という童話があるが、王様の変わりに誰か尊敬する人の名前を入れると笑えないし、複雑な気持ちになる。そんな気持ちをウンコのついた靴で踏みにじって行く呉先生。素敵です。精神的に弱いと全部読みきれない本かも。しかも、
 そんなわけで呉センセは嫌われる。(笑)
 というような嫌われたいがための文章をわざわざ書く。そうでなければいい年こいて、「センセ」とか「(笑)」とか、田中康夫知事すら赤面しそうな文体でわざわざ書かないでしょう。ここまで覚悟して文章を書いているにもかかわらず、なんとなく人間として弱い部分が見えて悲しい。たとえば人に愛されたいとかほめられたい、認められたいといった部分だ。

 人権主義は宗教
 三国人は第三者と同じ意味で、勝者(連合国)でも敗者(日本)でもない。
 体感的ナショナリズムとしての沖縄に対する感情
 柳は韓国語で「ユ」だ「ユウ」ではない
 支那の使用禁止は昭和21年外務省からのマスコミに対する通達で「理屈ぬきにして先方の嫌がる文字を使はぬやうにしたい」というのが事の発端。
 強迫観念のような愛のイデオロギーから開放されるべき
 男のやることは女もやる
 朝日新聞は高学歴者が学歴社会批判をする。
 サンケイはオカルトまみれ