脳内イメージと映像


脳内イメージと映像

著者/訳者: 吉田 直哉/
出版社  : 文芸春秋
出版日  : 1998/10

暗闇との関係
目を閉じいるときの見える映像。夢、幻覚、ニアデス
現実との関係
デクパージュとモンタージュ。短い映像をつなぎ合わせて、全く関係のない物語を作れるのか。映像を安易に言語になぞらえると大きな誤りを犯す。
言葉との関係
言葉の真似をしたモンタージュでは多くのものが失われる。テレビ放映時間の八割は人の顔を映している。映像には否定形がない。言葉の仕事は言葉に任すべき。
音楽との関係
情景の伴奏?「物語とではなく映像と協同する音」(武満徹氏)、音の映像から余計なものをそぎとる働き、カラオケとバラエティ番組のテロップ
物語との関係
脳が物語を求めている。物語は陳腐でもすばらしい映像。映画は文学とは無関係である。よい映画はそもそも内容を持たない。観客の能が求める多様性はテレビが答えることになる。
未知との関係
情報を伝えると言うことは、未知を既知に変える事。既知の中の未知の発見。未知を求める脳のため、カメラはあらゆる場所に向かう。
内奥との関係
脳内イメージを映像に。デジタル処理技術の発展
伝統との関係
「うつし」という日本語に漢字を当てはめたとき、微妙に違いを生じる面白さ。漢字の視覚言語としての意味。「移し」を求める。
通信との関係
コンピューターを使って映像が簡単に作れるようになるということ。
  • virtualを仮想現実と訳すのは誤解の元。本来は「事実上の」か「実質的」といった形容詞
  • ハリウッドの4つのS
    1. スペクタクル
    2. セックス
    3. サスペンス
    4. SFX
  • 「これを撮るのはたいへんだったろうなあ」と観客に思わせる部分が絶対に必要だ