プログラム駆動症候群 心をもてない若者たち


プログラム駆動症候群―心をもてない若者たち

著者/訳者: 三森 創/
出版社  : 新曜社
出版日  : 1998/03

プログラム駆動の人たちは、動機付けや理由があるわけではなく、プログラムにしたがって行動しているだけ。
例えば、感動したのではなく、感動したということをしたいだけ。さびしいのではなくさびしいということをしたい。
彼らのことをPDOS(Psychological De-Organizasion Syndorome)という
特徴としては

  • 心がない
  • 自分がない
  • 内面がない
  • 自分を理解できない
  • 自分から行動できない
  • 自分の内面で活動できない
  • 抑制・ちゅうちょがない
  • 修正・調整がない
  • 途中停止がきかない
  • 周囲の状況よりも自分の行動の実現に固執する。
  • 加害意識や行動の責任感がない
  • 前後の行動が一致していなくても葛藤しない
  • 姿勢制御ができない、つねにかったるい
  • 手足と胴体の関係にまとまりがない。
  • 意味づけられた座り方ができない
  • 行動自体のイリンクス性に支配され、ひたすら反復する。

プログラムはテレビのトーク番組やバラエティなどから仕入れる。そこでの状況を再現したい。
彼らはプログラムで時間をつぶすことが幸せ。
コンビニには時間消費のためのプログラム入り商品が数多く売られている。

PDOSは修復不可能であり、社会設計からやり直さなければ克服できない。
発症時には家庭もまた崩壊しており、コミュニケーションは気休め。
対処方法

  1. 本人にしゃべらせない。しゃべらせても矛盾をついたりしない
  2. 彼ら何の意思があると仮定しない。行動だけを事実認定する
  3. 自覚、反省、判断、想像などの内面活動を指示しない。むだ

そもそも言葉が通じない。

なんだか、見放されたようで、彼らがかわいそうになる。
最後に心の作り方が書いてあって、それが救いかも。

  1. カニズム
    1. 外部からの刺激に対する条件反射の仕組み
    2. 都会では刺激が多すぎて危険
  2. アイデンティティ(自分は○○であるという意識)
    1. 面達成:つうじょうありえない、あったら擬似達成だろう
    2. 部分達成:普通はこうなる。けっこうつらい。
    3. 全面拡散:これは不幸、精神病に至る可能性大
    4. 否定達成:1960,70年代の不良みたいなもの。好ましくないとわかっているほうにわざとまとめる
    5. 擬似達成:他人のアイデンティティを丸ごと借用する
  3. インタラクション(人と人との相互作用)
    1. 共感性:相手と同じ気持ちになったり
    2. 愛他心:人をおもいやる
    3. 援助行動:ひとにやさしくする

このようなところから行動をおこしていかなければいけない。

学校の先生は読んだほうがいいかも。