iモード事件


iモード事件

著者/訳者: 松永 真理/
出版社  : 角川書店
出版日  : 2000/07

たいした期待もせずに100円で買ったこの本にずいぶんと共感してしまった。
出張の暇つぶしに持ってきたので、読み終わったら捨てるつもりだったのだが
どうしようかしらん。

 感性で生きる人たちというのがいる。IBMibmという小文字で社名を表記するだけで
大変なことなのだ。かたや、理屈で生きる人たちがいる。メモリーの量とか処理速度とか
に最新の注意をはらう。お互いに、あいてのことを尊敬はしている。しかいし、本音を
いえば「どーでもいいやん」と内心思っている。
 管理職にとって、この2つの種族は最悪に取り扱いにくい人種だ。しかしながら、
コンピューターを活用して何かしらの商売をやりたかったら、この人たちを手なずけて、
水と油を混ぜることができないとだめだ。成功したのはIDOでもなければJPHONEでもない。
技術的に最も劣るi-modeだ。ここに差があるとしか思えない。

 マッキンゼーコンサルティングというのはひどいな。会社の企画部ごと乗っ取ってしまう。
しかしながら、それに逆らってこそ破格のギャラの効果がでるというものだ、
世界最高水準のリサーチと猛烈な仕事量、そして「コンサルタントにはNOを言う義務がある」
という信条。彼らは圧迫面接という厳しい採用試験を突破してきた、紺のスーツの集団。
馴れ合いはしない。彼らに理屈ではかなわないだろう。しかしながら、彼らを打ち負かせない
ようであれば、新規事業などやめたほうがいい。そういった意味では適切なストレスかもしれない。

 シンクロニシティ ユングが提唱した。お互い何の因果関係もないところで2つのことが同時におこること。
世界の複数の場所で同時に重要な発見が起こったりする。ユングはこれを共通の無意識という説明をしている。

 ドーキンスミーム。一人の人間の考えが遺伝子のように大勢の人間につたわっていくこと。