「考える力」をつける本


「考える力」をつける本―新聞・本の読み方から発想の技術まで

著者/訳者: 轡田 隆史/
出版社  : 三笠書房
出版日  : 1997/01

 「時間を上手に使う方法」にこだわっているうちは時間を上手に使うことなどできない
 探すとは問うことである
 時には当たり前の言葉も辞書で引く
読んでいるときはなるほどと思ったが、書いてみるともっともらしいがどうでもよいような。
 新聞を破ってスクラップにするよりはGoogleで検索したほうが安上がりだし、とりあえず買っておかないとなくなってしまいそうな本は必要になってからAmazonで注文すればいい。
そういった意味では知的作業にインターネットの与えた影響は大きい。

この本には数箇所に阪神大震災と松本サリン事件に対するマスコミのあり方の批判と、自分も含めた反省と言うのが出てくる。
「自分に直接責任がないのに、いい人だなあ。」というようにだまされてはいけない。
反省しているのならなぜ行動しない。すでにこの本が書かれたときとき、北朝鮮による拉致被害者の家族たちは必死で運動しているのだ。
結局のところ筆者は朝日新聞論説委員と言う立場でありながら、その事件を取り上げることがなかった。
 もし今、この本が出版されたら、反省する項目が1つ増えるだけのことだ。
他人の過ちも含めて先に自分から謝ってしまう優等生というのが小学生でもいる。こういう子供を周囲はえらいねえとほめる。
「ほめられるためなら、他人の罪をかぶってもかまわない。」というのを無意識にやっているとすれば、なにか間違っている。