この厄介な国、中国


この厄介な国、中国

著者/訳者: 岡田 英弘/
出版社  : ワック
出版日  : 2001/11

 指桑罵槐(しそうばかい)本当の怒りの対象とは全く異なるものをさして怒る。
 宴会のタブー

  1. 自分のペースで飲んではいけない
  2. 酔っ払ってはいけない。さいごまで崩れてはいけない。
  3. まじめな話をしてはいけない。やましいことがないことを宣言するかのように大声でバカ話をする。

言質をとらないかぎり実行できない。自白しない限り殺されない。
中国人は白黒をつけずに灰色にする。それは力関係が逆転したときに備えているから。
黄河文明はそもそも、商業文明である。農業は後から付いてきた。
城壁に囲まれた都市とそれを結ぶ交易路からなる、点と線の文明。
ある程度まで栄えると、人口集中に都市インフラが追いつかず、人民の不満が爆発する。
始皇帝は、商人たちの元締めであり、商業を円滑に行うために単位の統一を行ったり、焚書により文字の制限を行った。
漢字は組み合わせなので無制限に文字が増える。儒家では使う文字を厳格に規定しているため、宗教家としてよりも文字の管理を行うものとして珍重された。坑儒が儒家弾圧と言うのは誤解で、書家を処罰したに過ぎない。
古代中国では国家としてよりも、商人のあつまりである。
自分を守るものは自分しかいない。他人はすべて敵。
中国人にとって「正統」つまり、歴史は繰り返すものでなければならない。そもそも大いなる神の意志で様々な物事は決まるのであって、人間のしたことはその付け足しに過ぎない。
中国人はもとより、漢文が読めない。そもそも、文字が読めるのは科挙に合格するような人たちだけであり、それも意味を理解するのではなく、言葉の使い方としての丸暗記でしかない。
中国で文字を多くの人が使いだしたのは、日本語の影響を受けで発音を漢字に割り当てるようになってからであるが、それとて広い中国では話し言葉も違うので統一には至っていない。
 中国は儒教と言われているが、実は一般人は道教である。
秘密結社の存在があり、お互いの間だけでわかる暗号がある。義兄弟の契りを結び、それを破ったものは人間扱いされない。
日本人が欧米人に比べて中国と上手く付き合えないのは、中国人をわかったつもりになっているからだ。