ブラックジャックによろしく (5)


ブラックジャックによろしく (5)

著者/訳者: 佐藤 秀峰/長屋 憲/
出版社  : 講談社
出版日  : 2003/04/22

ブラックジャックによろしく (6) モーニングKC

著者/訳者: 佐藤 秀峰/長屋 憲/
出版社  : 講談社
出版日  : 2003/07/23

ブラックジャックによろしく (7)

著者/訳者: 佐藤 秀峰/
出版社  : 講談社
出版日  : 2003/11/20

 母親を含む大切な人をガンでなくしたオイラには、読むのがつらい所もありました。
先生が病状と治療の方針を説明するときに、わずかながらの治る可能性を告げます。それはサービスなのかもしれません。家族はそのわずかな可能性を信じてしまいます。そして、祈りは届きません。
当時の先生は言ってました。「ガンを治すことはできません。5年、10年、20年再発しなかったとしてもがん細胞は出番を待ってます。医者ができることは延命なのです」言葉は違うけど、ガンになるのは人間の宿命であるということと同じなのでしょう。
 自分の母親には隠し通しましたが、この患者さんを見ていると告知したほうが良かったのかもと後悔するものもあります。なおる見込みがないのであれば、残された時間を有効に使うという考え方は理屈では納得できても感情がどうにもならないところもあります。自分には告知して欲しいが、家族には告知して欲しくないという矛盾した感情はとてもよくわかります。
 抗がん剤治療というのは本当に大変で、複数の抗がん剤が認可されたらそれはそれであれこれと取り替えて試すことになるのではないかと不安です。
 薬が認可されるまで日本では特別に時間がかかるのは薬害エイズの時も問題になりましたが、個人輸入による治療という抜け道があるのをはじめて知りました。お金のある人はやるでしょうし、お金のない人は最初からあきらめるでしょうが、中途半端な人は困ります。心理的負担に金銭問題が加わったらもう心が耐えられないかもしれません。